藤花一拝乙夜覧

藤花みのりちゃんコレクションの本を語るこーなー

#009 空えぐみ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』

あっつーい...暑くて干からびそう… 今年は本当に暑くて、もう日中ほとんど外に出たくありません。生まれはそこそこ南国の方なんですが、身体が外に出ることを拒絶します。高温高湿度、日本の夏は知的活動には向きませんね~と、外山滋比古先生も本でおっしゃ…

#008 チェン・チウファン『荒潮』

『アステリズムに花束を』ってアンソロジー読みました?百合SFアンソロなんですけど…えぇ…偏見なく普通にSF小説として面白いので読んでほしい本です。以前紹介した『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』(小川一水)も同書が原作です。今日紹介するのは…

#007 アダム徳永『はじめてのスローセックス』

別にスケベな話がしたいわけではなく、性生活や性風俗に関するテーマの本を読むことは、面白い活動のひとつです。例えば、セックスワークの歴史を調べたり、結婚や恋愛の文化がセックスにどのような違いをもたらしているかについても調べました。しかし、や…

#006 ミシェル・ウェルベック『闘争領域の拡大』

ー性的行動はひとつの社会階級システムである。 好きだけど人に勧めづらい作家っていると思う。私の場合、坂口安吾、エミール・シオラン、ミシェル・ウェルベックといったあたり。人に言えないのなら、じゃあここで書きゃあいいじゃないかと思い立ったので、…

#005 小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』

ー古くて狭い宇宙の片隅から。 好きなんですよね、小川一水の作品。作品集を書棚の一列にずらりと置いております。遥かな広がりを持つ空間を描き出すことにとても優れている作家であると思います。外的宇宙が登場人物の内面と化学反応を起こしてその衝動が花…

#004 アゴタ・クリストフ『悪童日記』

ー善なき世界で謳われるジョワ・ド・ヴィーヴ。 しばらく、記事を書くことができないほど、ひどく意識が混濁した状態にあった。日中も、夜も一日中眠る日と一日中眠れない日を繰り返していた。寓話的な眠り姫の比喩とは、あながち間違いもないのかもしれない…

#003 フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』

ー無慈悲な自然に、静かに喰い尽くされる。 医師より、うつの疑いが強いとの診断を受けた。だから薬を飲んでいる。だがこれを飲んでからは胃がむかついて気分がよけい悪くなる。良薬口に苦しとの俗諺もあるがひどい文明もあるものだ。坂口安吾の言葉を思い出…

#002 筒井康隆『あるいは酒でいっぱいの海』

ー瞬間に咲くファルス。あるいは災な物語。 このところ体調がわるくてずっと床に寝ております。精神が失調していつ寝るかわからない生活をしている。感動する力がだんだんと薄れていくのを感じるたび、騒がしい精神が恋しくなる。気に病んだときは気に病んだ…

#001 マイクル・コニイ『ハローサマー、グッドバイ』

―20世紀青春SF小説のマスターピース。 パラークシ-ブラウンアイズ。わたしの心を捉えて離さない理想の少女。 “その女の子は小さくなんかない―僕よりほんの少し背が低いだけで、同い年で、名前は―ぼくは絶対に一生忘れたりはしない―パラークシ-ブラウンアイ…

#000 HellO’ Brave New World

こんにちは。「ミノリの盤上遊戯録」でボードゲーム記事を書いていたミノリです。もしそちらから来てくれたのならありがとう。読書のこの場で出会ったのならそれもまたよし、ぜひともボードゲームの方も見ていていただけるとありがたい。 文章を書いてること…