藤花一拝乙夜覧

藤花みのりちゃんコレクションの本を語るこーなー

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

#004 アゴタ・クリストフ『悪童日記』

ー善なき世界で謳われるジョワ・ド・ヴィーヴ。 しばらく、記事を書くことができないほど、ひどく意識が混濁した状態にあった。日中も、夜も一日中眠る日と一日中眠れない日を繰り返していた。寓話的な眠り姫の比喩とは、あながち間違いもないのかもしれない…

#003 フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』

ー無慈悲な自然に、静かに喰い尽くされる。 医師より、うつの疑いが強いとの診断を受けた。だから薬を飲んでいる。だがこれを飲んでからは胃がむかついて気分がよけい悪くなる。良薬口に苦しとの俗諺もあるがひどい文明もあるものだ。坂口安吾の言葉を思い出…

#002 筒井康隆『あるいは酒でいっぱいの海』

ー瞬間に咲くファルス。あるいは災な物語。 このところ体調がわるくてずっと床に寝ております。精神が失調していつ寝るかわからない生活をしている。感動する力がだんだんと薄れていくのを感じるたび、騒がしい精神が恋しくなる。気に病んだときは気に病んだ…

#001 マイクル・コニイ『ハローサマー、グッドバイ』

―20世紀青春SF小説のマスターピース。 パラークシ-ブラウンアイズ。わたしの心を捉えて離さない理想の少女。 “その女の子は小さくなんかない―僕よりほんの少し背が低いだけで、同い年で、名前は―ぼくは絶対に一生忘れたりはしない―パラークシ-ブラウンアイ…

#000 HellO’ Brave New World

こんにちは。「ミノリの盤上遊戯録」でボードゲーム記事を書いていたミノリです。もしそちらから来てくれたのならありがとう。読書のこの場で出会ったのならそれもまたよし、ぜひともボードゲームの方も見ていていただけるとありがたい。 文章を書いてること…